マチプレートとマチワイヤで陥入爪の手術が不要になった。

竹岡良子さん女性63歳

 

まだ私が20代の後半のころです。スキーに行って帰ってきてみると、左足の親指の爪の下が真っ黒になり内出血していたのに気がつきました。それが私の長い長い爪のトラブルの始まりでした。黒ずみは消えましたが、今から考えれば、おそらくそのころから巻き爪が起こっていたのでしょう。その後、10年くらいは靴をはくとちょっと痛みを感じる程度だったのですが、爪が丸まり角が見えなくなってもいたのです。

 

ところがあるときから、歩くたびにつま先にまるで針が刺さったような鋭い痛みを感じるようになったのです。やがて、痛みのあるところにばい菌が入ったのでしょう。そひょう疸になってしまいました。化膿した部分を切り、医師からは「1週間もすれば歩けるようになる」といわれたのですが、その後どんどん歩けなくなってきたのです。さすがにこれはおかしい?と違う病院で診てもらったところ、左足の親指だけでなく右足の親指も巻き爪といわれたのです。痛みを感じるため常に親指に力をかけないような変な格好で歩いていため、右足の爪もいつのまにか丸まってきていたのです。ひょう疸の原因も爪の角が丸まって肉に刺さったためでした。

 

その後、症状はさらに悪化しました。痛みのためまったく歩けなくなり、床に足をおろすことさえできなくなったのです。しかたなく人におんぶしてもらい病院に駆けつけ、2週間入院してすぐ手術を受けることになりました。39歳のときでした。

 

手術は、親指の両脇の部分の爪を5ミリくらいずつ縦に切り、その下の部分を再び爪が生えてこないように電気メスで焼き、血が出ないように糸で結ぶという方法です。ところが、傷が治り始めると切った爪の根もとに結んだ糸が肉にくい込み、それこそ拷問を受けてるようでした。その後、新しい爪が生えてきましたが、それはまるで岩のようにボコボコして、猛烈な痛みが出てきたのです。そのおかげで心臓の具合が悪くなりましたが、これで巻き爪が治ったわけではありませんでした。

 

半年後に再び手術を余儀なくされたのです。爪が伸びてくると、また肉にくい込むようになってきました。そのたびに、先のとがったメスのようなものでやわらかい爪をほじくり出す、というくり返しが続きました。

 

それでも、痛みがなくなることはありません。加えておしゃれな靴をはけないのですから、本当に悲しいことです。何かいい治療法はないかと聞いて回っていたそんなある日の知り合いが教えてくれたのが、町田先生の行っているという新治療方法です。さっそく診察を受け、治療を開始しました。まず、2.5ミリの幅のプレートを貼りつけるのです。

 

丸まった爪をまっすぐにして矯正していくというこのプレートを1日5回程度。それでも爪の先は丸まったま肉にくい込んでいるため、爪の角を薬品で焼くということを何回かくり返しました。するとやがて、丸まっていた爪の先の角がようやく見えるまでになってきたのくらいして爪が伸びてくるのを見はからって、今度は爪の先に特殊なワイヤー(マチワイヤ)を装着です。

 

痛みはかなり薄らいできました。以前に比べればもう雲泥の差です。そして10ヵ月したころ、爪の先端部分の両端に小さな穴を開け、ワイヤーを爪の裏側に通すことで丸まろうとする爪の先をまっすぐにするというものです。現在、このワイヤーをつけているのは右足の親指だけで、左はまだつけられない状態です。

 

この治療法は、最初に町田先生がおっしゃったとおり、かなりの時間を必要とします。また、治療には保険が適用されないため、費用もかります。

 

しかし、あの手術の痛みを考えれかんにゅうば、何ものにも代えがたいというのが本音です。これからもこの方法で治療を続け、しっかり陥入爪を治したいと考えています。